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早く完結までもっていきたいのですが、リハビリがうまくいかなくてギリギリ。
昔のカンを早く取り戻したいです。
とりあえず、早くエロが書きたい(なんつーこと)
そんな訳でツヅキです。
死んでしまえばいいと願いながら、それでも毎日呼吸をする日々。
何を待っているのかなんて、もうわからない。
虫さえ眠る真夜中。
向かい合った二人の間に、夜の静寂がしんしんと降り積もっていく。
ナルトは、カカシに手首を掴まれたまま、どうすることもできずに佇んでいた。
カカシも、ナルトを見下ろしたまま、何も言わない。やだ時間だけがゆっくりとすぎていく。
ナルトは疲れ切っていた。
今にも座り込んでしまいたいほど、疲れているのに、それをさせてくれないカカシに、苛立ちにも似た怒りを覚えた。
カカシは一体何を考えているのだろうか、とナルトは疲労でうまく動かない頭でそんな事を考えた。
どうしてほっといてくれないのだろう。
カカシは自分を好きだと言ってくれるけれど、
「一体・・・・一体何が終わってないんだってばよ・・!!
もう、もういいからほっといてくれよ!!」
ナルトは苛立ちのままそう吐き捨てた。
もう、ほっておいて。構わないで。
これ以上惨めになりたくなくて、ナルトは最後の力を振り絞って、カカシの手を外した。
そして、そのまま部屋にかけこもうとしたものの、無理がたたったのか足もとがふらつき、それは叶わなかった。
バランスがとれず床に倒れこみそうになる体を、支えたのは他ならないカカシだった。
ナルトは、なんだかんだとこんな時ですら、カカシに助けられる自分に嘲笑さえこぼした。
結局、自分はいつまでもちっぽけで無力なまま。
そんな自分を笑うことしかできないナルトに、カカシの声が降り注いだ。
決して大きくないその声は、静まり返った夜の中でナルトの鼓膜をそっと揺らした。
「いやだよ、ナルト。お前がそれを望んだとしても、どうして俺がお前をほっておけるというの。
だって、俺は
どんなナルトでも愛してるのに。」
ナルトはすぐにはその言葉を理解することはできず、大きく見開いた瞳でただカカシを凝視する。
体を起こしたナルトと向き合うカカシは、いつもと変わらないように見える。けれど、掴まれたままの腕や自分を見るまなざしに強い意図を感じた。
ナルトは改めて向き合ったその強さに、ひくり、と体を震わせた。
その頃になってようやく、先ほどかけられた言葉が意味を伴って、ナルトの胸に落ちてきた。
カカシに捕まれた腕が熱い。
ナルトは、その強さに恐怖すら感じた。カカシに対してではなく、今目の前のカカシにすがってしまいそうな自分に、だ。
目を閉じれば、先ほどのカカシの言葉が何度も脳裏に木霊してはリフレインする。
『どんなナルトでも、俺は愛してるのに。』
・・・・それはきっと、ずっと言ってほしかった言葉だ。
誰でもない、カカシに言ってほしいと心のどこかでずっと望んでいた言葉。
一度は諦めたその言葉をカカシが言ってくれた。
それはナルトの強張った心を解していくには十分すぎる効果を持っていたけれど、ナルトはもう信じることも裏切られることにも疲れてしまっていた。
「・・・離してってば、センセイ。」
油断すれば、泣き出してしまいそうな心を抑えて、ナルトはため息とともに口を開く。
そして下を向いていた視線を上げれば、カカシの瞳とぶつかった。
いつものようにのんびりとした表情は鳴りを潜め、どこか必死そうな面持ちでナルトを見ている。少し前の自分ならば、そんな滅多に見れないカカシの眼差しを信じただろう、とナルトは思う。
否、今も別に信じていないわけではない。
ナルトはカカシの言葉を信じている。きっと彼は自分を傷つけない。
けれど、それはナルトにとっては最早どうでもいいことだった。
あの日、自分はどう足掻いてもこの負の連鎖の中から抜け出せないのだと気づいた時、ナルトは全てを諦めてしまった。
それが一番楽だったし、そうすれば自分に向けられる悪意も暴力もすべてが辛くなくなった。
「いつか九尾としてではなく”うずまきナルト”という自分を見てもらえるようになるんだ!」
そう固く誓っていた日々が遠い昔のようだった。
あの日から、ナルトの世界は色を失った。
けれど、痛みも悲しみもなくなった。
どちらが良かったのかは、今もナルトにはわからない。
「・・・オレ、疲れてるんだってば・・・。
早くお風呂に入って処理しないと、寝れなくなっちゃうってば。」
カカシを見ているのが辛くて、視線を再度地面へと落として告げる。
だから、カカシが取った行動に気づくことが遅れた。
不意に体が浮いた。それが、カカシが自分を抱きかかえたとわかるまで、ナルトは少しだけ時間を要した。
「セ、センセイ・・?!」
驚いてカカシを見れば、カカシはひどく冷静な眼差しでナルトを見据えた。
「・・オレが処理してあげる。言ったでしょ?俺はナルトの全てを受け入れるよって。ナルトが自分を汚れていると言い張るなら、その汚れていることすらも、俺は受け入れるよ。」
そして、どうやったのかあっさりとナルトの家の玄関の鍵を開け、室内へと侵入を果たす。
ナルトはカカシに抱えられたまま、カカシの言葉を理解できずにいた。
単語だけが、言葉だけがぐるぐると頭の中を回り、抵抗すら忘れた。
ナルトがようやくその意味をちゃんと理解したのは、カカシによって浴室の床に転がされた頃だった。
勝手知ったるなんとやらで、浴室の電気をつけたカカシが手際よく・・というよりは事務的に浴槽にお湯を張り始め、上忍のベストを脱いだ。
そして、額当てを取り、覆面すら外した。
現れたのは、噂どおり整った顔立ちと赤い瞳。ナルトは初めて見るカカシの素顔に、驚きで言葉も出せずにただ見つめるばかりだ。
カカシはそのまま中のシャツも脱ぎ去ってしまうと、ようやくナルトを見下ろした。
そこで初めてナルトは自分の置かれている状況を理解した。
浴室の床に仰向きに寝そべるように転がされた自分。そんな自分をまたぐ様にして、カカシは膝をつき、見下ろしている。
カカシは先ほどなんと言ったのか。
『オレが処理してあげるよ』
「え・・センセイ、冗談だってば・・・?」
自分を見下ろす無表情な色違いの瞳。
本能的に肘で後ずさろうとするが、カカシによって押さえつけられているため、叶わない。
すぐ近くで、お湯のたまっていく音がしていたが、ナルトの耳には遠く聞こえた。
まるで、世界に二人しかいないような閉塞感。
ナルトの問いかけにカカシは答えず、躊躇いのない腕がナルトのシャツへとかけられた。
「ヤ、やだぁ・・・・・!!!!」
ナルトの悲痛な声が、浴室に響き渡った。
これが罰だというのならば。
いっそ、この呼吸が止まってしまえばいい。
あなたを汚す、己の罪で