[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
前回の日記で恐れおののいていた納品はとりあえず、終わりましたがまだまだ年末までは気が抜けません。
当日は結局お家に帰れず、日付がかわる頃小雨降る中ホテルを探して徘徊するという経験をしました・・。
ちょこちょこ問題はありますが、しばらくは穏やかな日々なんではないかと。
そんなわけで、久しぶりに更新です。
連載ではなく、読み切りタイプ。
しかしながら、内容がブラックなので、ナルトに夢をみたい方はご遠慮ください・・・。
『パズルリング』
二人を繋ぐものは、きっと『罪』という名の鎖。
穏やかな風が吹いている。
木の葉の中でも、かなりはずれに作られたこの場所は、その目的とは裏腹にいつだって穏やかで、静まり返っている。
丁寧に整えられた庭の木々は美しい緑をまとい、花壇には季節に応じた花々が咲く。
ここが忍びの里の中にあるとは思えないほど、清冽なその様子。
けれど、カカシにしてみれば無機的に整えられた庭や風景は、酷く違和感を感じてならない。
意図をもって整えられた穏やかな様子。それは、間違いなくこの場所に根付く病的な何かを覆い尽くして隠すために存在しているのだろう。
そんなことをツラツラと考えていると、馴染みの気配が近づいてきた。
「カカシセンセイ。」
「や、サクラ。元気か?」
今は忍服でも私服でもなく、白衣を身にまとうかつての教え子にカカシはいつもの様子で声をかける。
「センセイも相変わらずですね。・・・何度来たって、変わりませんよ。」
「・・・・知ってるよ。」
「センセイにできることはもう何もありません。」
「・・・それも知ってるよ。」
サクラはまっすぐカカシを見上げて、もう幾度となく伝えた言葉を繰り返す。それに対して、カカシはサクラを見ることなく、やはり同じ言葉を繰り返した。
「・・・・それでも会いたいと思うんだから仕方ないじゃない。」
カカシは突き刺さるような鋭さで自分を見るサクラの視線から逃れるように、顔をそむけると、消え入りそうな声で言葉を紡ぐ。
その姿は、写輪眼のカカシと恐れられ、里の宝と謳われる姿とは程遠く、サクラは諦めたように溜息をついた。
「ほんとに都合がいいですね。」
最後まで、そう冷たくカカシに言い捨てると、サクラは一旦踵を返して、再度建物の方へと姿を消した。
会うたびに、言葉が容赦なくなるかつての教え子の後ろ姿を見送りながら、カカシは彼女の優しさに何度目かわからない感謝をした。
どれほど待ったのか。
おそらく、それほどの時間は待っていない。けれど、カカシにとっては1分が1時間にも感じられるような時の流れの後、待ち焦がれた気配が二つ、カカシへと近づいてきた。
それと同時に、底抜けに明るい声が静まり返った楽園を染める。
「サクラちゃん、なぁんだってば?」
のんびり間延びした声。
聞きなれた、今でもカカシが焦がれてやまないナルトの声。けれど、それはかつてのナルトのものとは少し違う。
分かっているのに、カカシはその声を聞くたびに痛む胸を抑えられない。
それが、一体何の痛みなのか、カカシはずっと見ないふりをしている。
「カカシセンセイよ。」
それに応じるサクラの優しい声。その声は本来の彼女らしい慈愛に充ち溢れている。
「カカシセンセェ?だぁれ?」
そう無邪気に返される言葉もいつもと変わらない。
それが分かっているのに、カカシはいつもその言葉を聞くたびに傷ついた。
「カカシセンセイ。連れてきました。」
近づく気配を察しつつ、あえて正面を見つめていたカカシに、サクラの声がかけられる。
カカシは、覆面の下、そっと呼吸を飲み込みながらサクラの方に視線を動かした。
先ほどと何一つ変わらないサクラ。その隣、サクラが手を繋ぐその場所に。
ナルトがいた。
「カカシセンセェ?」
サクラに手をひかれたナルトは、そう呟きながらカカシを見て、ようやくカカシを思い出したらしい。
一瞬考える顔になり、その後弾けるように笑った。・・・その笑顔だけは、いつだって変わらない。
カカシは震える足を悟られないようにゆっくりとナルトに近づき、そっと膝まづいて視線を合わせた。
「コンニチハ、ナルト。」
「センセェ?カカシセンセェだってば?」
ケラケラ笑いながら、意味不明な言葉を繰り返すナルトは酷く楽しそうだ。溶けかけの砂糖細工のようなあやふやなナルトの意識。
そんなナルトに慣れてしまったサクラは、何も言わない。ただ優しく、自分よりも背の高いナルトの髪をなでている。
サクラはナルトの為に、医療忍者の前線から引いた。今は、この精神を病んだものが収容されるこの医療施設で働いていた。
カカシは相変わらず、上忍任務も暗部任務もこなしている。ナルトがこうなった原因である自分が面倒みると言った時、サクラがそれを許さなかったのだ。
『自分の罪悪感を満たすために、ナルトを利用するんですか?』
サクラはきっとカカシが死んでくれることを願っているに違いない、とカカシは思う。
カカシもそうなればいいと思うが、なぜかどんなS級任務もカカシを楽にさせてはくれなかった。
「ナルト、カカシセンセイと遊んでもらいなさい。また、後で迎えに来るから。」
聖母のような優しい声でナルトにそう告げたサクラ。
カカシを見たとたん厳しい顔つきになる様子に、カカシはこうも見事だと苦笑しか生まれない。
「1時間だけですからね。」
「ありがとう、サクラ。」
ナルトがこうして全てを忘れて子どもに戻ってしまったのは、一年ほど前だ。
原因はカカシの浮気だったというのが多分正しい。
任務中の不幸な事故で、大怪我を負ったナルトは、もう戻ってこなかった。
頭に負った傷が原因だろうということだったが、カカシにはナルトが厭なことを全て忘れてしまいたかったのではないかと思った。そして、そこまでナルトを追い込んだのも自分だというこも。
ずっと好きだった、その言葉は嘘ではなかったのに。自分をただ無垢に慕うナルトが面白くて、一夜の遊びを繰り返した。その結果の取り返しのつかない現実は、ただカカシを打ちのめした。・・そんな資格など、ないとわかっていたのに。
「ゴメンね、ナルト。」
繰り返し告げる謝罪は、ナルトには届かない。
ナルトは、庭の一角に建てられた東屋のベンチに座り、所在無げに足をぶらつかせている。
カカシはナルトの手をとり、その手に口づけた。ナルトはカカシの唇の感触がくすぐったいのか首を竦めるようにしてクスクス笑っている。
「くすぐったぁい。」
くふくふ笑って、ナルトはカカシの頬に触れた。たどたどしい手つきとは裏腹に、カカシの唇をゆっくりとなぞるその手つきは滑らかだ。
「カカシせんせぇ、また遊ぶんだってば?」
全てを忘れても変わらないナルトの口癖。ナルトの指の感触。肌の感触。
カカシは泣きそうになる自分を憐れんで笑った。
「ゴメンね、ナルト。」
「ひぁ・・!!ああん・・・・!!」
整えられすぎて、生命を失った綺麗な庭に、不似合いな嬌声が響く。
カカシは、ナルトの腰を抱えて、強く自分の腰を打ちつける。ごぷり、とさらに奥深くに入り込んだカカシのペニスが、すでに吐き出した精液をかき混ぜる音が響く。
背中を壁に押し付けられて、正面からカカシに両足を抱えあげられたナルトは、カカシの首に両腕を回して突き上げられる律動に耐えている。カカシの肩に抱えあげられたナルトの細い足が、ガクガクと所在無げに揺れていた。
「はぁ・・、ナルト・・ん・・。」
体ごと押し上げるような激しい動き。カカシがどれほど激しく動いても、ナルトの中は柔らかくカカシを受け入れる。
カカシは閉じることを忘れたナルトの口に己のソレを重ねて、舌を絡めた。ナルトの嬌声の代わりに、蕾と口から漏れる濡れた音がカカシの鼓膜を揺らした。
その音と目の前で羞恥心もなく淫らに喘ぐナルトの姿だけで、カカシの下半身はより熱をもった。
「ナルトナルト・・・!!」
「あっ!ああぁああああああ・・・!!」
ナルトの名前しか知らぬようにナルトの名前を呼んで腰を振るカカシの動きに、まるでバイブレーションのように小刻みに痙攣したナルトの声がより甲高く響いた。
その途端、ナルトの立ち上がり己の精液でまみれていたソレが、ひくり・・と震えて弾ける。ナルトは自分の腹を白く染めるように精液を散らし、無意識にナカのカカシを締め付ける。
カカシは締め付けに促されるように、もう何度目か分からない精液を、ナカへと注ぎ込んだ。
「あ・・・ナルト・・・。」
ナルトを壁に押し付けたまま、ずるずるとカカシはその場にしゃがみ込んだ。ナルトはぐったりと体を投げ出している。しどけなくカカシの前に晒されたナルトの体は、以前よりも筋肉が落ちたせいでより幼さが際立っていた。
両足はカカシに抱えあげられているため、ナルトのいまだカカシを咥えこんでいる蕾も、精液をはきだしたばかりのナルト自身も、カカシからはよく見えた。
ふっくらと赤く腫れたそこは、どす黒く膨張したカカシをすっぽりと飲み込み、ひくひくと動いている。何度かナカで達したせいで、まだカカシのペニスが埋まっているにも関わらずその隙間からは白く濁った精液がぽたり、ぽたりと溢れていた。
脳味噌が沸騰しそうな程、凄絶に淫蕩な光景にカカシのペニスがナルトのナカで蠢いたのが分かった。当然それはナルトにも伝わったらしく、ぐったりとしていたナルトが小さく身動きし、うっすらと閉じていた眼を開けた。
「せんせぇ・・もっと遊ぶのかってば・・?」
ふにゃり、と笑ってカカシが『遊びやすいよう』足を開こうとするナルト。
その眼は、とろり・・と蕩けて、カカシだけを見つめている。
自分だけを見るナルトのキレイな蒼い眼。昔のようなキラキラした輝きは失われたが、他を見ることはもうない。
あれほど、ナルトの周りにいた人々はまるで波がひくように消えた。今、ナルトの傍にいるのは自分とサクラだけ。ナルトの瞳が写すのは、自分だけ。
それを考えるとき、カカシはいつも昏い喜びに震える自分を抑えられない。
「ひぁ・・っ!ぁあん、やぁ・・!!」
どくり、と脈を打って大きく膨張したカカシにナルトの悲鳴が上がった。
「はぁ・・せんせぇ・・・。」
「ナルトナルト・・もっと俺を見て・・。俺だけを見て・・。」
カカシは狂ったように呟いて、より強くナルトの中に自身を押し込んだ。ぐちゅぐちゅと粘着質な濁音を聞きながら、カカシは真綿のように自分を包む幸福感に酔いしれる。
ナルトの蕾からは次から次へと、カカシの精液が溢れて滴る。
溶けかけのチョコレートのような柔らさと温かさを宿したナルトのナカを、座り込んだままカカシは貪り続けた。
「じゃあね・・・ナルト。」
サクラが迎えに来る頃には、ナルトはすっかり疲れきってベンチでうとうとと惰眠をむさぼっていた。
カカシはナルトの頭を軽く撫でると、名残惜しさを振り切るようにしてナルトの傍から離れた。サクラはそんなカカシの動きを監視するように傍で見張っていた。
「サクラも、元気でね・・。」
「もう来ないでくださいね。」
「それは・・・無理かな。」
冷やかに告げるサクラの言葉に力なく笑い、カカシは猫背の背中を向けて去って行く。
サクラはナルトの隣に佇んだまま、かつての恩師の背中を見送った。
そして、後に残るのは眠ったままのナルトと、やはり立ったままのサクラ。
相変わらず庭には穏やかな風が吹き、一見美しいだけの景色を呈している。
そんな死んだ景色の中、どれほどの時間がたったのか。少しづつ遠ざかっていたカカシの気配が、感じ取れないほど遠くに消えた頃、ゆっくりナルトの閉じていた瞳が開く。瞼の下から現れた蒼い瞳は、カカシがもう見れないと思っている澄んだ光を変わらず宿していた。
「・・センセイはもう行っちゃったってば?」
「行ったわよ。あの様子じゃ、また近々来るんじゃない?」
ナルトが話しかけたのが合図とばかりに、サクラがナルトの隣へと腰を下ろす。ナルトも、そんなサクラのためにそっと場所をずれて座れる場所を用意してやる。
そのナルトの様子からは、先ほどまでの病んだナルトの影は伺えない。生気のある眼差しも、サクラと笑みを交わす様子も、何もかもが昔のまま・・・カカシが求めていたナルトだった。
「ほんとだってば?だったら嬉しいってば!」
サクラの言葉に無邪気に喜ぶナルトに、サクラは溜息をつきつつも穏やかな眼差しで見守る。
「ねぇ、ほんとにいいの?このままで。今なら、まだ間に合うんじゃないの?」
サクラはナニガ、とは言わない。サクラは全てを知って、ナルトの傍にいる。
サクラの言葉に、ナルトは唇だけを歪めて笑った。かつてのナルトからは想像もできない笑い方。
ナルトはもう笑わないのだろうか。サクラは今でも時々思い出す、誰がみても幸せになった太陽のような、眩しい笑顔を。
「今更だってばよ、サクラちゃん。」
小さく呟いて、自嘲するようにナルトは笑った。
「俺はセンセイが欲しかったんだってば。俺がこうなっている限り、先生は俺のことだけを考えてくれる。自分を責めて、俺のものでい続けてくれるだろ?
だから、これでいいんだってばよ。」
そう言って、ナルトはサクラをみると、前よりも長くなった桜色の髪の毛に触れる。
「サクラちゃんこそ、これでいいのかってば?俺のせいで、サクラちゃんも忍びとして生きられなくなったってば。」
すまなそうに呟き、サクラの髪をすく。
任務に出なくなって以来、伸ばし続けている髪は、肩を超えた。ナルトにとっては、それが共犯の証なのかもしれない。こうやって、話をするたびにナルトはサクラの髪の毛に触れたがった。
すまなそうに口を開く時だけ、ナルトはかつての顔に戻る。サクラはそんなナルトの頭をぐいっと引き寄せて、額に口づけた。
「・・・・バカね。私はこれでいいのよ。私はあんたが幸せなら、それでいいんだから。」
母親がこどもに話しかけるような優しい口調でそう言うと、ナルトは安心したように笑った。
「ありがとう、サクラちゃん。」
サクラは答えず、ただほほ笑む。
造られた風景。造られた世界。蔓延する狂気。
全てを覆い隠すように、庭には穏やかな風が吹く。